エコバッグ反対意見のコラム記事

長文コラム記事サンプル

この記事は、あくまでもライティングのサンプル記事であり、emiglia自身の意見や価値観を述べたものではありません。
なお、emigliaはエコバッグユーザーで愛用の超コンパクトエコバッグを常時携行しています。
この記事のように、一般的な価値観や意見と異なる記事の作成も承ります。ただし、公序良俗に反したり法に触れたりするものについてはお断りいたします。

【エコバッグでエコは実現不可!?逆に衛生面や便利さで様々なデメリットが発覚】
 
<レジ袋の有料化でエコバッグ使用が日常化>
 2020年7月から、小売店のレジ袋(ポリ袋)の有料化が実施され、多くの店舗でレジ袋が2~5円程度で売られるようになりました。
 今まで無料だったものが有料になると、とても「勿体ない」と感じるもので、多くの人がエコバッグ、マイバッグを持ち歩き、レジ袋は使わずに持参したバッグに購入した商品を詰めて持ち帰るようになりました。
 
 [レジ袋有料化には半数が賛同・主婦の8割がエコバッグを使用]
当社がおこなったエコバッグの意識調査のアンケートでは、約8割の主婦がエコバッグを日常的に使用しており、レジ袋の有料化に賛同するのは約半数だったそうです。
 主婦にとっては日々の買い物で少しでも安くしたいというのが本音でしょう。
レジ袋有料化より前からエコバッグを使っているという人も多かったようです。
 
[レジ袋有料化の背景・理由はやはり環境問題]
 レジ袋(ポリ袋)の有料化の背景には、SDGsという言葉の影響があります。
SDGsとは、「持続可能は開発目標」と訳され、2015年の国連サミットで採択された世界規模の大きな「目標」です。世界中の人々が、このSDGsに書かれた目標を掲げて持続可能な開発を目指していこう、というものです。その目標には、貧困格差をなくすことや、環境保全につとめることなどが書かれています。
 
日本も積極的にSDGsに即した活動を展開しているのですが、そのひとつが今回のレジ袋有料化なのです。近年問題視されている海洋汚染、海のプラスチックごみの問題に対する策のひとつとして、レジ袋を有料化しエコバッグを推奨することで、環境問題に取り組んでいる姿勢を見せた、というところです。
 
[有料化の対象にならないレジ袋も]
 レジ袋有料化の背景には環境問題があるため、生分解性プラスチックの配合率が100%のものや、バイオマス素材の配合率が25%以上のものについては、有料の対象外と指定されています。
 
 
<ちょっと待って!!エコバッグって本当にエコなの?>
 
しかし、ちょっと待ってください。
ここで一旦冷静に考えてみましょう。エコバッグは本当にエコなのでしょうか。
そして、レジ袋(ポリ袋)を有料化することで本当にエコになるのでしょうか。
 
 [社会学者の古市氏は「意味が無い」とバッサリ]
 テレビ朝日系で放送された「中居正広のニュースな会」に出演した、社会学者の古市憲寿氏は「レジ袋有料化、本当に意味がないと思っていて。レジ袋くらいでそんな世の中ね、変わらないと思うんですよね」と持ち前の「古市節」でレジ袋有料化を真っ向から否定しました。
 
 [レジ袋有料化やエコバッグに反対の意見も]
 古市氏だけでなく、レジ袋の有料化やエコバッグ推奨の動きに反対する意見は多数上がっており、当社のアンケートでは様々なリアルな意見が聞かれました。 ・エコバッグは1,000円ぐらいのものの元を取るのに1年もかかる・結局ゴミ袋を買うことになって逆に損
・コンビニに立ち寄る時にエコバッグを持っていないと損した気分になるので常にエコバッグを持ち歩いていなければならないのが嫌
・衛生面で考えるとエコバッグは持ちたくない…

他、様々な意見が寄せられました。
 
<エコバッグはエコじゃない!>
 ここで、本記事の本題ですが、エコバッグは実はエコではないのです。
ここで言う「エコ」とは、エコロジーだけではなく「エコノミー」も指しています。
 
そう、エコバッグには「エコ」という言葉がついているにも関わらず、エコノミーでもエコロジーでもない、多くのデメリットがあるのです。
 その理由、そして根拠を紐解いていきましょう。
 
[1.ゴミを入れるビニル袋を別途購入]
 レジ袋の有料化について、反対や「困る」、あるいは「意味が無い」という意見の中で最も多かった理由が「今まではレジ袋をゴミ袋として再利用していたのに、レジ袋がもらえないならゴミ袋は別で買わなければならなくなる」というものです。
 もらったレジ袋を、そのままゴミとして捨ててしまう人は少なく、多くの人が小さく畳んでとっておき、ゴミ袋として再利用しています。
 
それが、エコバッグ、マイバッグを使うことによってレジ袋を入手できなくなり、ゴミ捨てのためのポリ袋をわざわざ購入しなければならないとなると…それこそエコノミーでもエコロジーでも無く、まったくもって無意味です。
 結局ゴミ袋としてポリ袋を買うならば、全然エコロジーではないですし、その分コストもかかるのでエコノミーでもないということになります。
 
 [2.スーパーにある小さいポリ袋を多用]
 本来、レジ袋有料化はSDGsのひとつである環境保全のために、という名目で実施されたことでしたが、エコバッグ、マイバッグの使用が一般化するとともに、衛生面を気にする消費者は大量の小袋を使うようになります。
 スーパーの袋詰めができる場所に設置されている、魚や肉、豆腐などを入れるための薄手の小さいポリ袋です。
 あの小袋を通常よりも多く使うことによって、結局ポリ袋の使用は変わらないことになってしまいます。また、ゴミ袋として使うためにわざわざ多めに使うという人が出てくることも容易に想像できます。
 すると、結局のところ、エコロジーではないことは勿論、お店からするとポリ袋の消費が多くなりエコノミーでもなくなります。
 
 [3.エコバッグの値段+ゴミ袋の値段>レジ袋の値段]
 エコバッグは数百円のものから数千円のものまで、様々です。ここでは1,000円としてみましょう。
レジ袋は2~5円なので、間をとって3.5円としましょう。
 単純に計算して、1,000円のエコバッグの元を取るためには、レジ袋を286回使わなければなりません。285回を12で割ると約24なので、週に6回は買い物をすることになります。
いくらなんでもそんなに買い物をする人はそういないでしょう。
 まして、ほぼ毎日同じエコバッグを使い続けていたら、衛生面も心配ですし、毎度毎度洗うのは骨が折れますし、使っているうちにダメになってしまう可能性もあります。
 
仮に100円均一ショップでエコバッグを買ったとしても、30回近く買い物しないと元は取れません。
 また、エコバッグを使ってしまうとポリ袋を入手できないので、別にゴミ袋を買わなければなりませんから、その分のお金もプラスされてしまうということです。
 これは全くもってエコノミーではないですよね。
 
 [4.繰り返し使うエコバッグは不衛生・感染症のリスクも]
 まさか使い捨てでエコバッグを使うという方はいないでしょう。エコバッグ、マイバッグは繰り返し使うものです。
 しかし、そうなってくると心配なのが衛生面です。
 スーパーで生肉や生魚を購入した時に、バッグに細菌などが付着して、そのまま繁殖してしまったら…と考えると恐ろしいです。
 特に夏場など、カビや雑菌が繁殖しやすい季節は、エコバッグを使ったまま放置しておくと、菌がどんどん増えていきます。
 昨今のコロナウイルスの感染リスクももちろん心配されますし、それ以上に食中毒リスクがグンと上がり、私たちの健康を脅かします。
 いくら環境のため、という大義名分のもと、エコバッグを使っていても、自分自身の健康を害してしまっては元も子もありません。
 
 [5.エコバッグを洗う手間と除菌にかかる費用]
 感染症やカビなどを防いで、常に清潔な状態でエコバッグを使うことももちろん可能です。
そのためには、定期的な洗浄と除菌が不可欠です。
 理想は毎回使用するたびに洗濯して天日干しします。太陽光線には殺菌効果があるので、これができれば毎回清潔に使うことができます。
しかし、いつも晴れているとは限りません。天気の悪い日にエコバッグを使用した時には、除菌スプレーなどで一時的に除菌しておく必要があります。
 菌は放置しておくと、どんどん増えていくので、「数日後に洗濯するからまぁいっか」といって置いておくと大変なことになります。
 
これらの選択や除菌のことを考えると頭が痛くなってきませんか?
主婦はただでさえ忙しく、なるべく家事をスマートに済ませたいのに、エコバッグを持つとこんなに家事負担が増えてしまうのです。
 生肉や生魚がついたバッグを、自分の下着と一緒に洗うのは嫌ですよね?
そうすると、必然的にバッグは別洗い、しかも洗濯機に放り込むのはなんとなく躊躇されるため、手洗いとなるわけですが、それがまた一層負担を大きくします。
 
 [6.常にエコバッグを持ちあるくため荷物が増える]
 レジ袋有料化に伴ってエコバッグで買い物をするようになると、レジ袋にお金を出すのが「勿体ない」と思うようになります。
 「スーパーに買い物に行く」という目的で出かける際には、必ずエコバッグを持参するでしょう。
しかし、出かけたついでに買い物をしたり、仕事の帰り道にコンビニに立ち寄って買い物するといった際にはエコバッグを持っていないという可能性もあります。
 
そんな時にエコバッグがたまたま手元に無く、「あっ!そうだった!レジ袋有料か~うちにエコバッグあるのに…勿体ない…」という体験をすると、次からは忘れないようにしようと気を付けるようになります。
 いつ何時思い立ってコンビニに立ち寄ったり買い物をしたりするか分からなければ、いつも持ち歩くという選択肢を取るより外ありません。
 そうなると、エコバッグという新たな荷物が増えてしまいます。
レジ袋有料化に伴って様々なエコバッグが開発販売されるようになり、中には極小のものやものすごく軽いもの、かさばらないものなどもありますが、それでも限界があります。
どんなに軽くても、どんなにかさばらなくても、「持たない」に勝ることはありません。
 
また、「ちょっとコンビニ行ってくる」と言って、それまでは財布ひとつポケットに入れて出かけられたのに、エコバッグを持っていかなければならないという強迫観念に囚われてしまうのも問題です。
 もちろん、数円のものなので、そういった「普段の買い物」でない時はレジ袋を買えば良いのですが……そこでネックになるのが「勿体ない」という感覚と、「折角エコバッグを買ったのに元が取れない」というジレンマです。
 
前述の通り、エコバッグを購入した際に、その元を取ろうと思うと、何回も買い物をしなければなりません。
 普段の買い物はエコバッグ、寄り道の買い物などは有料化したレジ袋、といった風に使い分けている方もいるようですが、それだと経済面ではまったく効果的ではありません。
それに、エコロジーの観点から観ても、結局なんだかんだレジ袋を使ってしまっているのだから、あまり意味がないように思われます。
 
 
<レジ袋(ポリ袋)は環境破壊どころかむしろエコ!!>
 
さて、ここまでエコバッグのデメリットに関して解説してきましたが、それでもエコ(環境保全)のために、やはりレジ袋(ポリ袋)は使わないに越したことはないのでは…?と考える方もいらっしゃるでしょう。
 
しかし、一旦冷静に考えてみましょう。
レジ袋…ここでは「レジ」ではなく、あえて素材名であるポリ袋としましょう…「ポリ袋が環境に悪い」という根拠を理論立てて説明することはできますか?
 
「そりゃあポリ袋は自然なものじゃないからじゃない?」
「なんか、ビニル袋を食べて死んじゃった海洋生物の話を聞いたことがあるけど…」
「昔の人はポリ袋なんて使ってなかったわけだし…やっぱり環境に悪いんじゃないの?」
 
など、うろ覚えだったり、「なんとなく聞いたことがある」程度の知識だったり、あるいは感覚的に環境に悪いイメージがあると思っている方がほとんどなのではないでしょうか。
 
ポリ袋には〇〇という成分が含まれており、これが毎年〇トン排出されていて、この〇〇は燃やすことができない有害なものであるからして、海にそのまま流されるという現実があり、やがて摩耗したポリ袋をエサと勘違いした魚やカメなどが誤食してしまい……
 
といった説明をハッキリとできる方はいないはずです。
 
ただのイメージや、人からうっすら聞いた話だけで、物事を判断する前に、正しい知識を知ろうとする姿勢が大切なのです。
 そして、ポリ袋は、皆さんがイメージしているよりも環境には悪くありません。
むしろ、エコと言っても良いぐらいなのです。
 この根拠について科学的に解説していきます。
 
 [ポリエチレンは石油精製の余りもの]
 ポリ袋の原料となるポリエチレンは、石油を精製する際に必然的に生まれる「余りもの」です。石油をガソリンや重油に精製する際に、不純物として排出されるものがポリエチレンで、これを再利用して作られるのがポリ袋なのです。
 つまり、ポリ袋はエコの産物であり、ポリエチレンを有効活用しているものなのです。
 
本当の意味でエコを実施したければ、そもそも論で、「石油を精製しない」という極端な選択をするしかありません。
電気自動車が登場して、ガソリンを不要とする乗り物も開発されつつありますが、それでもまだまだ一般普及には遠く、石油を精製しないということは現実的とは言い難いです。
 それならば、そこで排出されるポリエチレンを再利用した方がよほどエコと言えるのではないでしょうか。
 
 [ポリエチレンを燃やしても有害物質は出ない]
 「ポリ袋は海に流されて魚やカメや海鳥が食べて死んでしまう」というイメージを持っている方が少なくないようですが、この「ポリ袋」の部分は間違いです。
正確には「プラスチックごみ」となり、ポリ袋はこれに含まれるものですが、この後詳しく紹介する通り、ポリ袋を食べたウミガメが死亡したという事例は1件も報告されていません。
 
それ以前の問題なのですが、ポリ袋は燃やすことができますし、燃やした際に理論上は有害物質が排出されません。
 実際に、燃やせるゴミのゴミ袋はポリ袋ですよね?
海などに捨てられてしまうゴミの中には可燃ごみも勿論含まれますが、不燃ごみがほとんどです。
 
ポリ袋が海などに捨てられてしまう事例も確かにありますが、ポリ袋は可燃ごみなので、燃やして処分することができます。そのため、ポリ袋の存在そのものが問題なのではなく、これを「海などに捨てること」、つまり行為そのものが大問題なのです。
 
だから、レジ袋(ポリ袋)を有料化したところで、そしてエコバッグやマイバッグを持って買い物したところで、ポリ袋が海に捨てられてしまっているという現状を変えないことには何の解決にもならないのです。
 
ちなみに、ポリ袋を燃やすと二酸化炭素と水、そして熱が発生します。ダイオキシンなどの有害物質は発生しません。もちろん、燃やせば二酸化炭素と熱は出るため、地球温暖化という環境問題にはつながってしまいますが、これは何もポリ袋に限ったことではありません。
「ゴミの数を減らす」という目的でポリ袋を減らしていくならば意味がありますが、結局ゴミ袋をわざわざ買っているということは、ゴミの総数は変わらず、まったくもって意味がないと言えるのです。
 
 [ポリ袋はゴミ全体の1%未満]
 先ほど「ゴミの数を減らす」という観点でも少しお話しましたが、そもそも、ポリ袋はゴミ全体の1%にも満たない程度しかありません。
自治体ゴミの中ではわずか0.4%しか占めておらず、ほとんど問題にならない程度の量しか出ていないのです。
 
そのため「ゴミを減らす」という名目でレジ袋を使わないというのは、なかなか無理があると言わざるを得ないでしょう。
まして、エコバッグを利用した場合には、そのエコバッグが使えなくなれば当然ゴミになるわけで、わざわざゴミ袋を買ってまでポリ袋のゴミを出し、さらにエコバッグが使えなくなったらそれをゴミに出し…考えてみれば、逆にゴミを増やしてしまっているという重大な事実に気付きます。
 エコバッグはポリ袋よりもしっかりした素材で作られていますので、ゴミとして処理する際に、例えば燃やす作業をする時にはポリ袋よりもはるかにエネルギーを必要としますし、排出される二酸化炭素の量も多くなります。
 
果たして、エコバッグを使うことが「エコ」だと言えるのでしょうか。
 
 [ポリ袋は紙袋の70%のエネルギーで作られる]
 7月から有料化したレジ袋の対象は、ポリ袋だけで紙袋は対象外となっています。
ここも注目ポイントであり、紙袋ならばエコ、ポリ袋はエコじゃない、という謎のイメージが大きな問題となっています。
 
考えてもみてください。
ポリ袋は石油精製時に排出される不純物であるポリエチレンから作られます。
これに対して紙袋は、最近では再生紙の利用が増えていますが、木から作られています。
 
この時点でどちらがエコか一目瞭然です。
 確かに紙袋のほとんどが再生紙から作られていますので、紙袋も再利用の産物とは言えるのですが、ポリ袋と紙袋、この2つを作るのにかかるエネルギーには大きな差があります。
 
ポリ袋は、紙袋の70%のエネルギーで作ることができます。
また、ポリ袋を運送するトラックの量は、同じ数の紙袋を運送するトラックの量の7分の1に抑えられます。トラックを走らせるためには当然ですがガソリンが必要になります。
これらは、そのまま地球温暖化への影響に響いてきます。
 
加えて、ポリ袋の製造に必要な水の量は紙袋のそれと比べて僅か25%です。
 実はポリ袋の方が紙袋よりもエコだという事実から目を背けてはいけません。
 
 [海洋ゴミという観点で見るとポリ袋はほんの僅か]
 さて、何度もしつこいようですが、この度のレジ袋有料化はSDGsの活動の一環として海洋ゴミを減らし環境保全に貢献するための取り組みとして実施されました。
 しかし、海洋ゴミという観点で見ても、ポリ袋はほんの僅かしか占めていません。
 
中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会の調査データに基づくと、漂着したプラスチックゴミのうち、ポリ袋は個数で0.6%、重量で0.4%。そして容積で見れば0.3%と、ごくごく僅かであるということが分かっています。
 多いのは、実は海上に浮かぶブイや、漁業で用いる漁網やロープなどであり、一般家庭から排出されるゴミとしてはプラスチックボトルや、プラスチックトレーなどの割合の方が高いという結果が出ています。
 
前述の通り、ポリ袋は可燃ごみになりますので、通常の処理方法としては燃やしてしまいます。ただ、一部のポリ袋が海に捨てられてしまい、僅かですが漂着ゴミとして計上されているということになるのです。
 この通り、海洋ゴミを減らすため!という名目でレジ袋を有料化してエコバッグを推奨するというのは、たった0.5%にも満たない程度のゴミを減らすといって頑張っているのと同じなのです。
 それよりも、一般家庭のゴミで言えば、プラスチックボトルやプラトレーの排出量を抑える方向で活動を進めていくべきなのではないでしょうか。
 
 [ポリ袋を食べたウミガメが死ぬというのは…嘘…?]
 さて、前に少し触れました、ウミガメがポリ袋を食べて死亡したというのは誤った知識であるという事についてですが、実際にウミガメを調べたデータが発表されているので見てみましょう。
 
http://ocean-wanderer.info/wwwp2/wp-content/uploads/2009/a2s.png
 こちらがその資料です。
 
神奈川県の海岸全域において、2013年1月1日から同年12月31日まで、丸1年かけて111頭の漂着ウミガメの病理解剖をした結果、ポリ袋を食べたことが原因で死亡したウミガメはおろか、そもそもポリ袋を食べてしまったウミガメは1頭もいなかったそうです。
 
もちろん、これは日本の限定的な地域で1年だけ行われた調査なので、世界規模で見た時には、また違った結果が出るかもしれませんが、そもそも海洋ゴミの中のポリ袋の割合が非常に低いことから、海の生物たちが海洋汚染によって死亡しているという原因が直接ポリ袋であるとは言えないのではないでしょうか。
 
海に漂っていたプラスチック片を食べてしまったウミガメや海鳥が、その尖った破片で内臓に傷を負い、死亡するといった事例は実際に報告されていますが、ポリ袋は硬いものではないので、怪我をさせるような代物ではありません。
 ただ、クラゲと間違えて捕食してしまったところ気道がふさがって死亡したという事例が海外で報告されているようなので、ごく一例ではありますが、実際にビニルが海の生物たちにとって脅威であることは間違いないでしょう。
 決して「ポリ袋=悪!」や「ポリ袋さえ出さなければ海の環境は守れる!」といった勘違いをしてはなりませんが、より広く深く問題の根本を探っていかなければならないということを忘れてはなりません。

 
 <レジ袋(ポリ袋)よりももっと目を向けるべき問題がある>
 レジ袋の有料化は環境保全のため、ということでしたが、上述した通り、レジ袋として採用されているポリ袋(ポリエチレン袋)は、実はエコなメリットを沢山含んでおり、逆に環境にとって悪い影響を及ぼしていることはほとんどないということが分かっています。
 
もちろん、一番良いのは環境にとって有害なものを極力減らすことです。
ポリ袋に関しては、それそのものが環境に良いか悪いかと聞かれれば、その二択の答えは「悪い」になります。
 
石油精製の副産物を再利用したものである、などエコなものだと解説しましたが、それはあくまでも「石油を精製すること」という前提のもとでお伝えしたメリットです。
 だから、ポリ袋は存在しないに越したことは無い存在であり、環境にとっては勿論「悪い」ものになります。
 
しかし、ポリ袋を無くしたからといって、それは例えて言うならば、埃だらけのどうしようもなく汚れた部屋の中の誇りをほんのひとつまみして捨てる、ぐらいの変化しか起こらないのです。
 
あるいは、汚い例えになってしまいますが、腐った食材が放置されているゴミ箱にハエがたかっていたとして、ポリ袋を無くすことは、このハエを1匹捕まえて処分するぐらいのことにしかならないのです。
根本は腐った食糧であり、これをどうにかしないことには、何の解決にもなりませんが、そこには目をやらずに、飛んでいるハエたった1匹を捕らえて、まるで鬼の首を取ったように満足げに高笑いしているのと変わりません。
 
「小さなことから少しずつ」という考えも立派ですが、冷静に考えてみて、エコバッグを使い、ゴミ袋を買うことにより、結果的にプラスチックごみを増やしてしまっていると考えたら、これは「小さなことを少しずつ…悪い方向に変えていってしまっている」ということになりかねません。
 
 <それでもあなたはエコバッグを使いますか?>
 ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
 エコバッグのデメリットを解説し、エコバッグに真っ向から反対するという、昨今のエコバッグブーム、マイバッグブームに喧嘩を売っているような記事でしたが、ここまでお読みいただければ、なぜ反対するのかということについてお分かりいただけたのではないでしょうか。
 
エコバッグは、エコではありません。
それは「”エコ”ロジー」だけではなく「”エコ”ノミー」という観点で見ても言えることです。
 
お金を出してエコバッグを買い、ゴミ袋として使うポリ袋を別で買い、更に出かけるたびにエコバッグを持参し荷物が増え、生肉や生魚を入れた後には必ず選択除菌し…と考えると、いかに非効率的で生活の中に様々な負担をプラスしているのかということがよく分かります。
 
また、結局ゴミ袋を買うのであれば、エコバッグを使い古して処分する際に、ゴミを増やすだけで、環境にもちっとも優しくないのです。
 逆にレジ袋(ポリ袋)を使うことにより、安く、便利に、そして衛生的に、買い物を楽しむことができるようになります。その上、環境にもそれほど大きな影響はなく、むしろもらってきたレジ袋をゴミ袋などに再利用することによってエコを実現することができるのです。
 
本当にエコバッグが必要なのか、本当にエコバッグは「エコ」なのか、冷静かつ論理的な思考で今一度考えてみたいものです。