腹式呼吸は物理的に身体の緊張状態をほぐしてくれる

緊張を和らげる方法のミニコラム

腹式呼吸には、物理的に身体の緊張状態を緩和する効果があります。
呼吸方法には「胸式呼吸」と「腹式呼吸」がありますが、「胸式呼吸」は驚いた時にする肩が上がる呼吸です。息を吸った時に横隔膜が上がり、肺の上部が膨らみます。この呼吸では交感神経が優位になり、緊張状態を作り出します。驚いた時にする呼吸という事は、例えば「何かに襲われてビックリした時」に脳が「逃げなければ」と指令を出し、瞬発的に足が動くように身体が緊張状態になるというわけです。
これに対し、腹式呼吸は息を吸った時に横隔膜が下がり、肺の下部が膨らみます。横隔膜が下がるため、内臓が押されてお腹が出るという仕組みなのです。腹式呼吸では副交感神経が優位になり、リラックス状態を作り出します。眠っている時は自然と腹式呼吸になっています。

このように、腹式呼吸には、副交感神経を優位に立たせ物理的に身体をリラックス状態にさせる効果があります。緊張してしまった時に意識して腹式呼吸をする事で、緊張した時に身体に起こる「心拍数が上がる」「身体がこわばる」「息が乱れる」といった症状が軽くなります。心の緊張感をぬぐうためには自己暗示などの方法がありますが、まず身体の緊張感をほぐす事で精神的にも余裕が生まれるため、適度にリラックスした状態を作り出す事ができるのです。
緊張、肩を上げ……と思ったら、肩を上げない深呼吸、肺の下部(肋骨の下半分くらいを意識)に息を入れてゆっくり吐く深呼吸で呼吸を整えてみてください。