手紙

◆結婚式の新婦の手紙◆

emigliaが実際に自分の結婚式で読んだ手紙です。
約1,300字で、読み上げて5分弱程度でした。
想い入れの強かったショパンのピアノ協奏曲の2楽章を自分で演奏した音源をバックで流しながら読み上げました。

この手紙のポイントは
・家族に感謝の気持ちを伝えること、そしてこんな素晴らしい家族で育ったとゲストの皆さんに伝えること
・良い夫を見つけたよというメッセージ(自分の家族、夫の家族、ゲストの皆さんに向けて)
・想い出の曲に乗せてエピソードを語る事で統一感をもたせて、更に演出面でも良いかんじに
というところでしょうか。
他にも、新婦の手紙は色々な形があって良いと思います。
大切なのは、泣かせる事でも笑わせる事でもなく、想いを伝える事です。


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お母さん、覚えていますか?
今流れているショパンのピアノ協奏曲は、ホールのピアノを借りて練習した時に、お母さんがビデオに撮ってくれた時のものです。
40分にも及ぶ長時間、腕をずっと上げて撮影し続けてくれた事、今でも感謝しています。
お母さんは、こんな風に、いつだって私の事を全力で応援してくれました。
受験前には誰よりも風邪予防に一生懸命で、家族全員にショウガ入りの紅茶を飲ませていましたね。
私がウズベキスタンへ行く事が決まると、「下見に行ってくる」と飛んでいってしまい、私の派遣先の学校まで、ビデオに収めて帰ってきましたね。
私が自分で決めた事には反対せず、いつも、やりたいようにやらせてくれたお母さんのおかげで、沢山の夢や、趣味、それから特技ができました。

お父さん、覚えていますか?
この、ピアノ協奏曲の練習に必死になっていた頃は、リビングを占領し、家に居る時は四六時中、練習ばかりしていました。
仕事で疲れて帰ってきて、テレビを見ながらくつろぎたかっただろうに、夜遅くまでピアノと格闘する私には何も言わず、そっと見守ってくれましたね。
そんなお父さんが、グリークラブに入って歌を始めたと聞いた時は驚きましたが、音楽でお父さんと繋がる事ができて、とても嬉しく思っています。
音取り用の音源を作ったり、伴奏のお手伝いをしたり、小さな事ですが、恩返しになっていれば良いなぁと思いながら、少しでも役に立てる幸せを噛みしめています。

(妹)、覚えていますか?
この曲じゃないけれど、私のピアノの練習中に、いつものノリで軽くちょっかいを出しただけだった(妹)に、私が特大の癇癪玉を爆発させた事件。
あの時は追い込まれていたものの、恥ずかしいやら、申し訳ないやら、反省文を書いて「じゃがビー」を添えてそっと部屋に置いて仲直りを図ったのは、良い思い出です。
「良くも悪くも」だとは思うけれど、私がこの世で一番ホンネや感情をぶつけられるのが、(妹)です。
小さい頃はケンカを沢山したし、大きくなってからも仲違いしていた時期がありましたね。
でも、(妹)がお酒を飲めるようになった頃には、姉妹で酒を酌み交わし、恋バナや愚痴大会を夜な夜な開催するようになり、時には、お父さんみたいな人と結婚したいよね、と話していました。

そんな私が出会った(夫)くんは、おおらかで思慮深く、社交的で人を慮る事ができる、お父さんみたいな人です。
それから、私がやりたい事をやってほしいと言ってくれる、お母さんみたいな人です。
のびのび育ててもらった私が、emiglia家で育んだ個性を、そのまま丸々受け入れてくれました。

(夫)家のお義父さん、お義母さん、私は、(夫)くんと出会えて、こうして人生を共に歩んでいける事を、とても幸せに感じています。
ある日彗星のごとく突然現れた私を、家族として受け入れてくださって、本当にありがとうございます。
温かく楽しい家庭を築いていくために、互いに支えあって参りますので、これからも末永くよろしくお願いします。

そして、(emiglia家の)お父さん、お母さん、(妹)、30年間、本当にお世話になりました。
これからも長いお付き合いになると思いますが、今後とも私たち2人を、よろしくお願いします。

emiglia